オラビー月報 第0号 「こちらはオラビーです」

●O’ra-beのWEBSITEへようこそ

このサイトでは「オラビーブログ」が最も頻繁に更新されます。また、番組試聴などは「番組告知」でお楽しみ下さい。

●O’ra-beは「オラビー」と読みます

オラビー(O’ra-be)は、ラジオ放送の制作から編成、運行まで支援するためのシステムの名称です。このシステムは1995年に開発者である西本卓也と川崎隆章によって構想されたものですが、その後およそ10年にわたって調査とさまざまな実験を重ねた末全体的な構想を得、2005年5月に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、具体的な開発が始まりました。

オラビー構想は大きく分けて、ラジオ放送における「番組制作支援・編成管理支援・端末ユーザー支援」の3つの領域にまたがるものですが、現在は最も高いニーズがある「番組制作支援」から着手し、着実に成果をあげつつあります。

●ラジオの将来をどうリードするか

われわれは、音声メディア、ことに「ラジオ放送」の可能性を高く評価しています。特に無線によるラジオ放送はおよそ一世紀の間、基本的なシステム構成をまったく変えることなく、その運用形態の進化で発展してきました。日本では近年ラジオ業界全体が低迷していますが、世界的には依然、テレビ、インターネットよりも普及率と影響力を誇っており、電話と並ぶ重要な情報インフラとして扱われています。

ラジオは運用形態の進化で発展してきたメディアです。その性能を引き出すには、放送する側と受信する側の条件に応じて、最適な使われ方をしなければなりません。

われわれは、現在の日本におけるラジオ放送の「低迷」に着目し、それが「送り手と受け手の間の、何かしっくりこない要素」によって引き起こされているのではないかと考えました。そこでわれわれは、オラビーの普及によって放送全体、ことに番組制作から編成にかけての領域の洗練に寄与したいと考えたのです。

●構想の全貌と現段階

構想では、あらゆる規模のラジオ放送局が対象となっていますが、現在われわれは、最も具体的需要のある分野として、まず「コミュニティFM放送局のための番組制作支援システム』の開発に取りかかっています。

コミュニティFM放送局に、全国網や県域局にはない特別な可能性があり、新しい地域社会のあり方を支える重要なハブになり得るはずです。しかし、実際には各局とも何らかの悩みを抱えているようで、その多くは「矛盾」によるものだとわかりました。たとえば・・・

地域のためのラジオ局なのに地域での知名度があがらない

公共性と財政的継続性がうまく両立できない

ボランティアにも、本業が忙しいことはある

経営の合理性を追求すると、地域性が低下する

地域取材力を重視すると、経費がどんどんかさんでゆく

地域のどまんなかで放送しているのに地域色が打ち出せない

改善したい点にはいずれも「深刻な矛盾」が立ちはだかっており、努力や資金調達だけでは解決できません。ゆえに、やる気がある局でもなかなか決定的な手段を講じることが困難なようなのです。

県域局の番組づくりと決定的に違う「強み」を見出してゆかなければ、その良さが評価される前にマイナーイメージだけが広がるのではないか・・・われわれはこの難題をチャンスと受け取りました。そして、構想の第一段階をコミュニティFM放送のために捧げることにしたのです。

●このwebsiteについて

O’ra-be公式websiteの内容は、まずこのページ(初めての方へ)は、当面「オラビー月報」として、月一回更新します。ここでは基本的な情報と、プロジェクトの総体的な動向をダイジェストします。オラビーブログは随時新しい情報をお届けします。リリース情報は、本来は新技術や新製品、新サービスの情報枠ですが、当面は商品開発情報をダイジェストします。番組告知では、オラビーを使った番組についての情報をご紹介します。より細かい日記はmixiなどでもアップしていますが、公式情報はあくまでこのサイトで発表いたします。どうぞこまめにチェックしてください。