OpusTwoの開発をすすめています

O’ra-be開発チームは、いよいよOpusTwoの開発にとりかかりました。

OpusTwoで実現される予定事項は以下の通りです。

●パッケージ番組の制作支援

●シリーズ番組制作の半自動化

●放送番組のローカル最適化

●分散状態におけるSNS型番組制作

●「無線オラビー」

OpusOneが生放送や生録音番組に適したものであったのに対し、OpusTwoは録音放送(パッケージ番組)に適したものを目指します。しかもOpusTwoが創りだす「新しいパッケージ放送」は、今までにない「半生放送」。PodCastingによる番組聴取などを意識したものになっています。

どうぞ御期待ください!

オラビー利用番組(2006.6現在)

オラビーは既に放送現場で使われています。

オラビーは裏方ソフトなので「オラビーな音」が聴こえるわけではないのですが、現在、埼玉県入間市のFM茶笛(Chappy)で「効率的な取材」「遠隔地からのレポート収集」などの目的に使われ、現場の省力化と内容向上に役立てて頂いております。

■「気ままにティータイム」金曜日10AM-11AM (DJ 荻野真理)

 毎週、スポーツジャーナリストであり実況アナウンサーでもある阿部宣祐さんによるレポートを放送。週末に向けて楽しみな試合やスポーツイベントの案内、解説などを毎週放送中。

■「サタデー ヒット ザ ランキング」土曜日1PM-4PM(DJ坂井悦子)

 毎週、リスナーからのリクエストを受付ながら放送する独自チャートの音楽番組。13時台と15時台に市内の二つの代表的なCDショップから、売り場担当者自信のレポートで、今週のトップセラーやおすすめCDを紹介しています。

 また、上記以外にもいくつかの番組で不定期に試験利用されています。ぜひともお聞き下さい。

 また、FM茶笛では2006サッカーW杯に際し、独自にドイツにレポーターを派遣! オラビーを使ったレポートを随時放送する予定です。生放送枠内でオンエアの予定。詳しくはウエブサイトをご覧下さい。

http://www.fmchappy.jp/

■「週刊ぶろぐ」日曜日3PM-3:30PM(DJ増尾祐輔)

 この6月からオラビー開発者の川崎、西本が10分ほど雑談的に出演しています。西本君出演の時はコミュケーション技術に関する先端情報などをわかりやすく解説してくれますから、御期待を。また、6月11日の放送では2月にオラビー実用化試験番組を担当してくれたなべやかんサンと川崎が番組に乱入し、30分間爆発的な雑談でDJ増尾を困らせました。また困らせようと思います。

入間、狭山、所沢、日高、瑞穂エリアで77.7MHZにダイヤルをあわせてください。アンテナを窓際にもってゆくとよりよく受信できます。(以上、川崎)

IPAが開発成果と評価を発表!

5月15日、IPAから2005年度上期の「未踏ソフト」に対する成果と評価が発表されました。O’ra-beは今回「スーパークリエーター」等の達成評価は得られませんでしたが、成功への道筋が明確なソフトとして評価を頂きました。今回の開発期間ではコミュニティFM局での実用性が確認されましたが、今後は大規模メディアでの耐用性を目指して開発を持続します。世界中の放送局の皆様、そして、ラジオ放送とその手法・社会的役割を愛する通信事業者の皆様、すべての企業家の皆様のさらなるご支援をお願いいたします!(川崎 kawasaki@owarai.to)

成果内容と評価はこちら。わかりやすい説明図もあります。
http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/2005mito1/mdata/9-19.html

コミュニティ放送局向けモデル“Opus-one”βサービスリリース開始

ラジオ番組制作支援システム O’ra-be(オラビー)
コミュニティ放送局向けモデル“Opus-one”βサービスリリースのご案内

“Opus-one”は、独立行政法人情報処理推進機構2005年度上期未踏ソフトウエア創造事業に採択され、その支援の上2006年3月に実証実験を完了した、ラジオ放送制作支援システム「オラビー」の公開用第一号ソフトのベータ版です。

 このベータ版は実証実験を行った都市の名をとって「入間モデル」とも呼ばれており、半年以上の継続試験と1ヶ月間の限界試験を経た、実用第一号ソフトです。

 O’ra-beは「音声素材の共有」と「制作作業の分有」によって、より合理的かつ安全に番組制作をすすめるためのシステムです。そして、取材から編集・構成・送出までを一つのシステムでサポートするため、時間と費用が軽減され、かつ、番組をより活気と柔軟性に満ちたものにすることができるのが特徴です。

 O’ra-beは、独立行政法人・情報処理推進機構・2005年度上期未踏ソフトウェア創造事業の採択プロジェクト(開発者:東京大学大学院助手・西本卓也、株式会社NASA・川崎隆章)から生まれたものであり、1990年代初頭からラジオ番組の制作現場、編成現場を取材して拾い集めた課題や問題点をもとに「より面白い番組、より強く求められる番組」づくりを目指したい制作者・放送局をターゲットとしています。

 今回リリースする”Opus-one”は、地域の生の声を番組に直接反映させたいという多くのコミュニティFM局の要望に応えるため、きわめて軽いご負担で利用して頂けるよう考えております。

 ”Opus-one”は、コミュニティFM局「FM茶笛(埼玉県入間市)」の絶大なご協力を得て、2005年秋以降継続的な運用テストがおこなわれており、かつ、2006年2月にはハードな使用条件を想定した一ヶ月間にわたる限界性能試験を行い、動作の安定条件を確認しました。しかし、コミュニティ局皆様や専門諸家のご意見を反映させながら、今後さらなる安定性と機能の向上をはかるため、今回は「β版」としてリリースし、東京大学との共同研究を通じて運用状況の分析と改良を行うことを、ご了解下さい。従って、一部開発途上の機能や仕様について変更されることを予めお許しくださるよう、お願い申し上げます。

■実証実験番組お聞き下さい!

独立行政法人情報処理推進機構2005年度上期未踏ソフトウェア創造事業採択プロジェクト『ソーシャル・ネットワーキング型ラジオ番組のシステム開発』の実証実験の一部である爆笑実証実験番組『なべやかんの居留守放送局』! 第3回の放送は3月5日(日)まで「番組告知」のページで自由に(かつ無料で)お聴きいただけます。

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オラビー月報 第0号 「こちらはオラビーです」

●O’ra-beのWEBSITEへようこそ

このサイトでは「オラビーブログ」が最も頻繁に更新されます。また、番組試聴などは「番組告知」でお楽しみ下さい。

●O’ra-beは「オラビー」と読みます

オラビー(O’ra-be)は、ラジオ放送の制作から編成、運行まで支援するためのシステムの名称です。このシステムは1995年に開発者である西本卓也と川崎隆章によって構想されたものですが、その後およそ10年にわたって調査とさまざまな実験を重ねた末全体的な構想を得、2005年5月に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、具体的な開発が始まりました。

オラビー構想は大きく分けて、ラジオ放送における「番組制作支援・編成管理支援・端末ユーザー支援」の3つの領域にまたがるものですが、現在は最も高いニーズがある「番組制作支援」から着手し、着実に成果をあげつつあります。

●ラジオの将来をどうリードするか

われわれは、音声メディア、ことに「ラジオ放送」の可能性を高く評価しています。特に無線によるラジオ放送はおよそ一世紀の間、基本的なシステム構成をまったく変えることなく、その運用形態の進化で発展してきました。日本では近年ラジオ業界全体が低迷していますが、世界的には依然、テレビ、インターネットよりも普及率と影響力を誇っており、電話と並ぶ重要な情報インフラとして扱われています。

ラジオは運用形態の進化で発展してきたメディアです。その性能を引き出すには、放送する側と受信する側の条件に応じて、最適な使われ方をしなければなりません。

われわれは、現在の日本におけるラジオ放送の「低迷」に着目し、それが「送り手と受け手の間の、何かしっくりこない要素」によって引き起こされているのではないかと考えました。そこでわれわれは、オラビーの普及によって放送全体、ことに番組制作から編成にかけての領域の洗練に寄与したいと考えたのです。

●構想の全貌と現段階

構想では、あらゆる規模のラジオ放送局が対象となっていますが、現在われわれは、最も具体的需要のある分野として、まず「コミュニティFM放送局のための番組制作支援システム』の開発に取りかかっています。

コミュニティFM放送局に、全国網や県域局にはない特別な可能性があり、新しい地域社会のあり方を支える重要なハブになり得るはずです。しかし、実際には各局とも何らかの悩みを抱えているようで、その多くは「矛盾」によるものだとわかりました。たとえば・・・

地域のためのラジオ局なのに地域での知名度があがらない

公共性と財政的継続性がうまく両立できない

ボランティアにも、本業が忙しいことはある

経営の合理性を追求すると、地域性が低下する

地域取材力を重視すると、経費がどんどんかさんでゆく

地域のどまんなかで放送しているのに地域色が打ち出せない

改善したい点にはいずれも「深刻な矛盾」が立ちはだかっており、努力や資金調達だけでは解決できません。ゆえに、やる気がある局でもなかなか決定的な手段を講じることが困難なようなのです。

県域局の番組づくりと決定的に違う「強み」を見出してゆかなければ、その良さが評価される前にマイナーイメージだけが広がるのではないか・・・われわれはこの難題をチャンスと受け取りました。そして、構想の第一段階をコミュニティFM放送のために捧げることにしたのです。

●このwebsiteについて

O’ra-be公式websiteの内容は、まずこのページ(初めての方へ)は、当面「オラビー月報」として、月一回更新します。ここでは基本的な情報と、プロジェクトの総体的な動向をダイジェストします。オラビーブログは随時新しい情報をお届けします。リリース情報は、本来は新技術や新製品、新サービスの情報枠ですが、当面は商品開発情報をダイジェストします。番組告知では、オラビーを使った番組についての情報をご紹介します。より細かい日記はmixiなどでもアップしていますが、公式情報はあくまでこのサイトで発表いたします。どうぞこまめにチェックしてください。