IPAX2009でオラビーを展示(5/26-27)

ラジオ番組制作システムのイベントについてお知らせします。
2005年度に経済産業省の外郭団体(IPA)の支援で西本が開発した「オラビー」というシステムについて、http://ora-be.nishimotz.com/ の開発計画の見直しを進めています。今回、これまでの実験の経緯や現状をお見せして、今後の計画をお伝えしたいと思います。

展示会名称: IPAX 2009
開催日時: 2009年5月26日(火)~ 27日(水)(2日間)10:00~17:00
会場: 東京ドームシティ プリズムホール・東京ドームホテル シンシア
アクセス:JR中央線・総武線 《水道橋駅》 丸ノ内線《後楽園駅》三田線 《水道橋駅》 大江戸線《春日駅》 南北線 《後楽園駅》
主催: IPA(独立行政法人 情報処理推進機構
後援: 経済産業省(予定)、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(予定)
来場者数: 4,000名
入場料: 無料(但し、事前登録あり)
※未踏コーナー(50小間予定)の1小間として出展。小間番号e-16です。

タイトル:ラジオ放送支援システム「オラビー」の開発
展示概要:我々は小規模な放送局が音声投稿番組を効率的に制作できるラジオ放送支援システム「オラビー」を開発してきた.
地域に密着したコミュニティ放送局や個人によるインターネットラジオの生放送における利用が期待される.

このシステムについては、2005年度にIPA未踏ソフトウェ ア事業として採択され、多くの方の御協力を得て開発をすすめました。当初から (株)ボイスバンクさんの協力を得て、電話回線からの手軽な音声投稿を実現してきました。さらに、2005年度から2008年度まで埼玉県入間市のFMチャッピーさんの番組でお使いいただきました。特に2006年2月には「なべやかんの居留守放送局」として、未踏プロジェクトの実証実験の一環として音声投稿による特別番組を放送できました。西本個人としては、2006年度に東京女子大学での非常勤講義の中で音声投稿の実験をさせていただき、また谷中芸工展の期間中にストリーミング放送の実験を行いました。

IPA事業として助成を受けた成果は以下で発表を行いました。

  • 西本 卓也,川崎 隆章: “ラジオ放送支援システム「オラビー」の開発,” 電子情報通信学会技術報告, WIT2006-25, pp.49-54, Jul 2006. PDF

2007年3月にはこの活動を踏まえて電子情報通信学会総合大会イベント企画を実施しました。

西本自身も2007年2月に瀬戸のコミュニティFMにて自分の活動をお話しする機会を得ました。

今回、共同開発者の川崎隆章氏が所属する(株)NASAさんとの話し合いの結果、出願済の特許

  • 特願2006-075487(名称:放送番組編集装置、放送番組編集用プログラム及び放送番組編集用可搬式コンピュータ)

の審査請求を行わず、権利を放棄し、今後は、どなたにでもオープンに利用していただけるようにソースコードや運用環境の整備を目指すことにしました。これまで西本個人で細々と続けてきたシステム開発は、データベースやWebアプリケーションの実装部分にRuby on Rails を導入する作業を進めており、今後は開発の加速が見込まれます。また、ボトルネックだった Java Media Framework への依存性は、新しいリッチクライアント技術 JavaFX への移行により解決する予定です。さらに、オープンソースプロジェクトに移行することで、多くの方に開発への参加を呼びかけたいと考えています。

昨今の経済状況を契機に、個人や小規模の放送局だけでなく、あらゆる場面で放送の「ダウンサイジング」が進むことが予想されます。パーソナルコンピュータ・ インターネット・さまざまな無償ソフトウェアが、誰でも低コストで高品質のコンピュータ環境を享受できる時代を実現したように、今後、無償で利用できる放 送支援システムは、重要な社会・生活のインフラに発展していくと考えています。

生放送における投稿ファイル編集のためのユーザインタフェースに特化して開発されたオラビーは、動画も扱えるように拡張可能です。昨今のポッドキャストや動画共有サイトなどの流行を踏まえて、既存のサービスとオラビーの連携も視野に入れていきます。

技術や出展の詳細については、このサイトおよび「nishimotzの日記(はてなダイアリー)」でお知らせしていく予定です。

お問い合わせ先: nishimotz [a t m a r k] gmail.com

  • 2009年5月6日:小間番号と事前登録のURLを追加しました。
  • 2009年7月8日:ora-be.com からora-be.nishimotz.comにURLを変更しました。

お問い合わせ先について

導入対象を日本のコミュニティFM局に限定したシステムO’ra-be”opusOne”がリリースされました。

街には声があふれています。生の声があふれています。
 しかも、その声にはその街、人の暮らしや想い、歴史が含まれています。
 人々は、そんな「声」を聞きたがっています。
 そして、人々はそんな「声」を聴いてもらいたがっています。

 「聞き上手」は信頼されます。「聞き上手」は愛されます。
 愛される、頼られるラジオ局を目指すなら、まずは聴く体制の充実です。
 今後、コミュニティにおける「ラジオ局」に役割は
 「人々に発信する」ことより「人々の声を聞く」ことに重きが置かれます。
 街一番の聞き上手・・・それがコミュニティ局の目指す姿の一つでしょう。

 人々の声を集め、電波にのせてどんどん紹介する。
 単純な事ですが、困難が伴いました。
 生放送に伴うさまざまなリスクや人手不足の問題。
 留守番電話を利用するにあたっての工程数の多さと面倒。
 投稿音声の管理にかかる無駄な時間。
 これらを省いて「FAXや葉書のように」音声投稿素材を扱えたら・・・
 そんな「現場の要望」を、はじめて形にしました。

 早さだけではありません。
 自宅や出先で投稿内容をチェックして、
 その返事をじっくり考えてから本番に臨む「ゆとり」も生まれます。
 ベテランDJには今まで以上の即応力と機動力を提供します。
 新人DJには放送上の安全と「考えるゆとり」を提供します。
 それが「O’ra-be」の基本的な考え方です。

O’ra-beは、今まで音声投稿番組でおこなわれていた作業を分析し
 電子的に直結することで作業工程数とロスタイムを劇的に減らしました。
 また、それに伴う放送事故の危険を回避するため、
 いくつもの回避プロセスを用意しました。

 このシステムは非常に単純な構造でできています。
 従って、現場の才覚で、さまざまな使い道が開けます。
 われわれは、システム制作し導入していただくことをきっかけとして、
 「この方法を用いて、土地ごとのコミュニティ局を支援するか」を考え、
 皆様の「お話を伺いたい」と考えております。

ぜひ、このシステムに関する詳しい資料をご請求ください。

【お問い合わせ先】

株式会社NASA
東京都港区赤坂9-5-26 赤坂ハイツビル403
03-3479-7300

O’ra-be普及担当 川崎隆章
kawasaki@nasa-inc.co.jp

O’ra-be今後の開発予定

O’ra-beの全体計画は放送の取材から制作、編成、送出までを包括的に支援できるシステムを目指していますが、現在はさまざまなスタイルのラジオ番組づくりを支援するためのソフトウエア開発から取りかかっています。

2006年2月実施の実証実験のためのラジオ番組「なべやかんの居留守放送局」では、リスナーからの音声投稿を生放送で効率的に処理し、どんどん放送するきおとで、番組により強い生命力を与えることを目指しています。

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