O’ra-be今後の開発予定

O’ra-beの全体計画は放送の取材から制作、編成、送出までを包括的に支援できるシステムを目指していますが、現在はさまざまなスタイルのラジオ番組づくりを支援するためのソフトウエア開発から取りかかっています。

2006年2月実施の実証実験のためのラジオ番組「なべやかんの居留守放送局」では、リスナーからの音声投稿を生放送で効率的に処理し、どんどん放送するきおとで、番組により強い生命力を与えることを目指しています。


現在、日本のラジオからは人々の「生の声」があまり聴こえてきません。それには理由があります。まず、生放送中の生電話は、喋る内容に対するリスクが高く、不用意な出演を依頼しにくいこと、そして、電話出演の準備のために喋る人もスタッフも通常以上に時間を拘束されること。また一方で留守番電話やテレフォンボードが使われることもありますが、記録された素材を一度テープやディスクなどに移し替えてからでないと放送できないため、工程と作業時間が増えます。また、両者とも投稿情報の取捨選択がやりにくく、放送用機材としては使いにくいものとなっています。そこで、今回は、ラジオスタジオ(それも生放送中の)でディレクターやDJが手軽に人々の声をピックアップし、内容を検聴してから安全に送出できるような「投稿番組支援しすてむ」を開発しようと考えました。「なべやかんの居留守放送局」は、そのための実験番組の一つです。この実験をもとに、われわれO’ra-beの作品第一号(opus one)が完成されます。

放送用機材の実証実験は、そのトラブルが放送局の生命である「編成の運行」そのものを止める危険性があるため、とてもリスクが高いのですが、埼玉県入間市のコミュニティFM局「FM茶笛(チャッピー)77.7MHz」のご協力で大胆な実証実験を行うことができました。改めて、心よりの感謝を申し上げます。