「なべやかんの居留守放送局」実験について

さて、昨年夏からクローズドのインターネット放送番組による実験にはじまり、11月からは埼玉県入間市のコミュニティFM局「FM茶笛(チャッピー/JOZZ3AM-FM 77.7MHz 20w)」のご協力による週に4本の東京発スポーツ&エンタテインメントレポート情報の放送実験(「荻野真理の気ままなティータイム/金10時~」と「週刊ブログ/日15時~」からオンエア)がすすめられ、1月下旬からは「美和さなえのアフタヌーンスクエア(火・木・金14時~)」で一般リスナーからの投稿受付を開始するなど、さまざまな制作環境下での運用がためされています。

そして2月3日、想定される最も過酷な条件下での運用実験がはじまりました。「なべやかんの居留守放送局」です。

「なべやかんの居留守放送局」でO’ra-beを導入することのリスクは次のようなことが考えられます。

ひとつは、テレビでも有名な芸人さんをDJに起用し、インターネットなどで大きく告知することで、大量の投稿があった場合、このシステムでどこまでさばけるのか。安全にその量を放送まで持ち込めるのか。

ふたつめは、もともと素材数が多くなりがちなお笑いバラエティ番組の制作現場に「新しい機材」を持ち込むことにより、現場にどのくらいのストレスがかかるのか、そのストレスはどういったものになるか、それによってどんな事故が想定されるか。

みっつめは、本当に面白い番組になるのか。たんに冗長な番組を作ってしまうのではないか。また、お笑い番組に必要な「絶妙な間」を、このソフトが壊す可能性はないのか。

こんなことを考えながら、実験を企画し、現場に臨みました。すると、出てくる出てくる「想定外の諸問題」(笑)。普段の生活環境では到底想像できない「生放送現場における極度の緊張」の中では、ほんのわずかな操作感の問題が大きく響いてくることがわかりました。放送現場で使う機材は、まるで楽器のように微妙で繊細なタッチを求められるのです。

今回の実験では、在京の県域AM局、FM局で百戦錬磨を積んだディレクター・柴田恵陽さんと、構成作家・ベン村さ来さんが直接現場を担当してくれています。柴田さん、ベンさんとは、開発者の一人である川崎隆章が、1996~1998年にJapan FM Networkで制作されたマルチメディア運用実験番組「トッポライポのはいぱーとらっプ」でご一緒した最強タッグですが、今回は、機材環境がまるで違うコミュニティ放送局での実施ということで、今までにない緊張がありました。

柴田さんは、スポーツ中継からドラマ、バラエティ、教養番組の制作、そして深夜や早朝ワイドの番組開発、マルチメディア実験、局全体の番組編成まで、まさに「すみからすみまで経験した」ハイパーディレクターとして開発者が最も尊敬するスタッフの一人です。

また、ベンさんは「ビートたけしのオールナイトニッポン」をお聴きの方には懐かしいハガキ投稿の大常連で、はじめて「ハガキ職人」と呼ばれた中の一人です。その後、スタンダップコメディアンを経て放送の世界に入り、「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」の構成を永年担当し、一方で演芸作家として高く評価されています。また、この10年以上、中堅漫才師によるガチンコライブ「お笑いセメントマッチ」を主催し、秋には目黒駅東口商店振興組合(品川区上大崎)主催の「目黒のさんま祭り」で大人気の寄席を仕切っています。

今回、番組パーソナリティをお願いしたなべやかんサンは、永年、文化放送(JOQR)の午後バラエティでレポーターをつとめ、一方で積極的に若手中心のライブ「東洋・太平洋秘宝館タイトルマッチ」を運営。他にもさまざまなライブを自ら打って出ています。また、2005年には、話題のトークナンバーワンを競う「T-1グランプリ」を立ち上げ、定期的に開催しています。

というわけで、番組をおききください。番組はアップ後1週間だけの限定公開です。お聞き逃しなく!

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